
オリジナル商品づくり、処方は内製すべき?プロに任せるべき?
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- 処方ってそもそも何?
- 自社で処方開発するには何が必要?
- OEMに頼りすぎるのってリスクじゃない?
「処方を自社で開発するべきか、OEMに任せるべきかがわからない…」
「OEMに任せると、他社と似た商品にならないか心配…」
化粧品やサプリメントなどの商品開発において、「処方開発」をどこまで自社で行うか、またはOEMメーカーに任せるべきかは、事業者にとって重要な意思決定のひとつです。
ブランドの世界観や品質に直結するだけでなく、コストや開発スピード、運用体制にも大きく影響します。
今回は、処方開発を自社で行うべき場合と、OEM先に任せた方が良い場合の考え方について整理します。
処方開発とは?
処方開発とは、製品の「中身」をつくる設計作業のこと。
成分の組み合わせ、配合バランス、テクスチャー、香り、安定性、安全性などを考慮しながら、理想の製品を形にしていく工程です。
処方が商品の「設計図」であり、ブランド価値を左右する核でもあります。
自社で処方開発を行うメリット・デメリット
メリット
・独自性の高い製品が作れる
競合と差別化しやすく、オリジナル性を打ち出せる。
・ブランドコンセプトを反映しやすい
成分や使用感に徹底的にこだわれる。
・OEMメーカーの切り替えがしやすい
処方を自社で保有していれば、製造先変更も柔軟に。
デメリット
・開発に時間とコストがかかる
処方開発には高い専門知識とリソースが必要。
・社内に専門人材が必要
化粧品処方技術者や薬事のプロが不可欠。
・試作・検証の回数が増える
安定性や使用感などを検証するために時間がかかる。
OEM先に任せるメリット・デメリット
メリット
・スピーディーな商品開発が可能
既存処方やセミカスタマイズ処方で開発期間を短縮。
・コストを抑えやすい
最小限の開発費用で商品化できる。
・知見とノウハウが活用できる
市場動向に応じた提案やアドバイスが得られる。
デメリット
・同業他社と似た製品になる可能性がある
差別化が難しく、価格競争に巻き込まれることも。
・OEM先に依存するリスク
処方権や技術情報をOEM側が保有している場合、製造先変更が難しい。
・自由度が低い
細かなこだわりや調整に限界がある。
判断のポイント
以下の観点から、自社開発 or OEM任せを判断すると良いでしょう。
判断軸 | 自社開発向き | OEM任せ向き |
---|---|---|
ブランド独自性 | 高めたい | そこまで重視しない |
社内体制 | 技術者や薬事担当がいる | 少人数/外注中心 |
予算 | 中長期で投資可能 | 低コスト優先 |
スピード感 | ある程度余裕がある | 短期間での上市を希望 |
処方のこだわり | 高い | 標準レベルでOK |
ハイブリッドという選択肢も
最近では、「自社で基本処方を構築し、量産や微調整はOEMに任せる」といったハイブリッド型の開発も増えています。
またOEMメーカーによっては、独自開発に近いサポート体制を提供してくれる場合もあるため、「どのOEMを選ぶか」も重要なポイントです。
まとめ
処方開発は、製品の個性やブランド力に大きく影響する重要な工程です。
自社で行うのか、OEMに任せるのか、それとも両者のバランスを取るのか。
事業のフェーズ、ブランド戦略、社内リソースなどを踏まえて、最適な進め方を選びましょう。